20代後半から40代前半くらいの年齢の男性なら、一度は聞いたことのある単語だろう。
また、子供の頃遊んだ人も多いことだろう。
漫画「ダッシュ!四駆郎」に端を発する一次ブーム、「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」による二次ブームから約20年、現在三次ブームと呼ばれる新たな波が訪れているのだ。
三次ブームの特徴
前述の通り漫画が主導の一次、二次ブームは当然小学生あたりの子供を中心としたブームであった。
しかし現在の三次ブームの中心にいるのは大人。
そう、一次、二次ブーム時にミニ四駆に熱中した世代が大人になり、当時を懐かしむように再度ミニ四駆に熱中しているのだ。
長い空白の期間を経て改めて火が点いた大きな理由は、2012年のジャパンカップの復活。
二次ブーム時までのジャパンカップは参加するのも抽選で当たらないといけないし、小学6年生までの年齢制限があった。
しかし復活したジャパンカップでは誰でも参加可能、オープンクラスとして大人も出場できるようになった。
そしてかつては公式戦では使えなかったダッシュ系モーターも使用可能になり、よりスピード感のあるハイレベルなレースが展開されるようになり、大人でも十分楽しめる遊びとなったのだ。
マシンの速度域の上昇と共に改造のレベルも上がり、コースは激しいアップダウンや急激なコーナリング、ジャンプ台などが設けられたテクニカルな物となり、単にスピードが速いマシンが勝てるわけではなく、コースに応じた戦略的なセッティングが求められるのも特徴。
懐かしい、けど新しい
私も今年の5月頃、ひょんな事から小学生以来のミニ四駆を再開した。
まずは子供の頃の愛機だったシャイニングスコーピオンのプレミアム版を購入。
現在、ブームに合わせて四駆郎やレッツ&ゴーの登場マシンがプレミアム仕様として改めて販売されている。
現在主流の新型シャーシやタイヤ、ホイールなどが付属しており、ステッカーも高級感のあるメタリック仕様にリデザインされている。
組み立ててみると昔遊んだミニ四駆よりも遥かに高級感があり、素組みで飾っておくだけでも所有欲を満たしてくれる。
さらにコロコロコミックの大人版「コロコロアニキ」にて「ハイパーダッシュ!四駆郎」と「爆走兄弟レッツ&ゴー!! Return Racers」が連載されており、その作中に登場する新型のマシンも発売されている。
想像の遥か上を行く奥深さ
実際に改造するに当たってネットなどで情報収集をすると、その高度さと奥深さに驚くことだろう。
子供の頃に「これを付ければ速くなる」と思い込んでいた憧れのパーツであるゴールドターミナルや六角穴ボールベアリング、スポンジタイヤにワンウェイホイールなどは今では効果がない、もしくは逆効果などとしてほとんど使われる事がなく「夢パーツ」と呼ばれていたりして、あの頃の常識は今や通用しない事を思い知らされる。
また先にも触れたようにコースがかなり立体的でテクニカルになっているため、スタビライザーによるコースアウト防止はもちろんのこと、マシンがジャンプして着地する際の制動機構としてマスダンパーという重りを付けたり、登り坂に入る時に意図的にスピードを落として大規模なジャンプを防止する為のブレーキなど、昔では考えられない改造も今や当たり前。
既成のFRPやカーボンプレートを切ったり削ったり組み合わせたりして、独自のバンパーユニットを作る人も多い。
しかし公式戦ではそういった高度な改造はせず、売っているパーツを説明書通りに取り付けただけのマシンが優勝するケースも少なくなく、ある程度テンプレート化してはいるものの「正解はない」状態。
まだ始めたばかりの素人でも十分に勝てる余地はあるのである。
酒を飲みながらミニ四駆
さて、買ったミニ四駆をどこで走らせるのか。
昔は街の模型屋さんにサーキットが設置されていたものだが、今ではそういったお店もだいぶ減った。
また営業はしていてもお店の方が高齢で、コースの維持や管理までできないという場合もあるだろう。
近年のリバイバルによってミニ四駆を専門に扱うお店や大規模なミニ四駆コーナーを設けたホビーショップも増えてきており、そういった場所では走らせながらその場で改造や調整をしたり、足りないパーツの購入もできるというスタイルが主流。
また全国的にはまだそう多くないが、「ミニ四駆バー」と銘打って店内にサーキットと改造スペースを設置、「◯時間飲み放題・走らせ放題で◯円」という場所も出現している。
ここまで来るともう立派な大人の趣味。
私の住む鹿児島市には2年程前からミニ四駆バーがオープンしており、家で新しいマシンを組み上げてはその店に出向いて走らせ、調整したりしている。
子供の頃、まさか大人になってお酒を飲みながらミニ四駆をするとは誰が思っただろうか。
お店のオーナーや常連の方に改造のコツなどを聞きながら試行錯誤したり、たまに行われる店内レースに参加したり、童心に返った気持ちで結構楽しい。
キットやパーツも一通り売られているので、手ぶらで行ってその場で一台組んですぐに走らせることも可能だ。
まだまだ拡大が予想されるミニ四駆ブーム
私が始めてからの約半年の間だけでも取り扱い店のコーナーが拡大されていたり、目に見えて品薄が目立って来たりしている。
今まさに三次ブームがピークに向かっているところだろう。
タミヤも新しいキットやパーツをどんどん発売したり、少し前は手に入りにくかった限定カラーのパーツを増産したりと供給量も増えている。
ハマれば底が見えないほど奥が深いが、最初のキット代も含めて3000円程度あればそれなりに走れるマシンが一台組めるので大人の趣味としてはかなりお財布に優しいし、たまには子供に戻った気持ちでミニ四駆、やりませんか?
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