第2回 アナログについて
第3回である今回は、CDJについて解説したいと思う。
第1回でも少し触れたが、CDJとはCDを使ってアナログターンテーブルのようにスクラッチやスピンなどができる機材のことだ。
古いモデルや安価な物はスクラッチができない物も存在するが、ここ2〜3年の物ならば安い物でも大抵はできるはずだ。
94年にPioneerがCDJ-50を発売したのが始まりだが、この頃はまだスクラッチ機能もなく、あくまでアナログの補助的な感じで使われるだけの物好きの機材だったという。
しかし後に受け継がれていくCDJ特有の新しい機能として、曲のテンポを変えても音程(キー)が変化しないマスターテンポ機能や、特定の同じ箇所を繰り返し再生させるループ機能が登場した。
画像はCDJ-50の海外版であるCDJ-500
その後何度かのモデルチェンジを経て、ついに2001年にアナログと同感覚で曲の送り戻しやスクラッチなどの操作ができるバイナルモードを搭載したCDJ-1000が登場する。
これが決定的なきっかけとなり、CDJが一躍市民権を獲得していくことになる。
CDJ-1000はその後MK2、MK3とマイナーチェンジをしていくが、このシリーズと廉価モデルであるCDJ-800、CDJ-800MK2が全世界のクラブに置かれる業界標準機の地位を確立する。
これらは現在新品での入手は困難
2009年になるとCDJ-1000シリーズの後継としてCDJ-2000が発売されるが、時代の流れと共についにCDに加え、USBメモリやポータブルHDD、またPCを接続してその中の楽曲データまで扱えるようになった。
これによりあらかじめ専用のPCソフトで楽曲を解析し、CDJにロードすると同時に波形やBPM、アートワークなどの情報が瞬時に表示され、CDJがPCDJと同等の機能を有していくことになるが、それにともないCDを使う事のメリットがかなり薄れることとなった。
CDJ-2000は2011年に生産終了し、より機能をグレードアップした後継機CDJ-2000nexusが現行のフラッグシップ機となっている。
CDJのカテゴリに入れるのは迷うところだが、CDJ-2000nexusとほぼ同等かそれ以上の機能を持ちながらCDドライブを撤廃し、USBデバイスのみに特化させたXDJ-1000も発売を控えている。
初めからCDを使う予定はないのであれば、これも有力な選択肢の一つである。
伝統的なPioneerCDJのインターフェースを持ちながらCDを撤廃したXDJ-1000。
CDドライブがない分価格は抑えめ。
ちなみに、ここまで上げた物はほとんどが歴代のフラッグシップ機であるため非常に高価である。
また中古でしか手に入らない物もあるので、現行品で廉価モデルのオススメも挙げておこう。
まずCDJ-850。
CDJ-800MK2の後継にあたる。
CDJ-2000同様USBデバイスが使用可能だが、2000はPro DJ Link機能で一つのUSBデバイス内のデータを複数のCDJ-2000間で共有可能=USBデバイス一つでプレイ可能であるのに対し、850はその機能に非対応のため、プレイヤーの数だけUSBデバイスを用意する必要がある。
シルバーとブラックの2色展開。
お次はCDJ-900および900nexus。
CDJ-2000/2000nexusの廉価モデル。
900シリーズ独自の機能もあり、2000シリーズのPro DJ Link機能にも対応。
最後にCDJ-350。
これはホームDJ向けの小型モデルだが、家での練習用としてはもってこい。
小さい分フルサイズの物と比べると操作性は劣るが、機能は850とほぼ同等で価格も控えめ。
USBデバイスも使用可。
USBデバイスも使用可。
以上すべてPioneerだが、それほどPioneer製がオススメである。
もちろんそんなの関係なくやっていけるという方は他のメーカーでも良いが・・・。
またどれも高価だが、CDJとはそういう物である。
この価格で手が出ないようであればCDJは諦めてPCDJを選ぶのが吉。
【まとめ】
CDJは現在ではどこのクラブにもある。
大抵がPioneerのCDJ-800以上。
現在はUSBデバイスも使える物が主流。
廉価モデルといえど高い。
次回はミキサーについての予定。
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