2015年5月11日月曜日

DDJ-SX2を買ったのでレビュー

先日自宅のDJ環境を一新し、PioneerのDDJ-SX2を購入したのでレビューしてみたいと思う。


ちなみにDJを始めて6年ほどだが、これまではAmerican Audioの一体型CDJ CK-1000とかいうザコ機材から始まりCDJ-800mk2、CDJ-2000と、ずっとCDJユーザーだった。
ミキサーはCDJ-800mk2に替えて以降ずっとKORG ZERO4。
CDJ-2000とかいう今なお現役バリバリのフラッグシップ機を持ってしまったのでなかなかランクを落とす決断は難しかったが、ケーブルのゴチャゴチャ感に嫌気がさしていたのと、普段プレイする現場への普及率が低いこと、自分のDJに対するモチベーション、リセールバリューの高さなど総合的に考えて買い換えを決めた。

当初は3月に発売されたXDJ-RXにするつもりだったのだが、「どうせ家でしか使わないんだから、より遊べる方がいいな」と思い、思い切ってPCDJに転換、DDJ-SX2に決定した。
XDJ-RXよりも5万安い点も大きなポイント。





前置きはこの辺にして、レビューしていこう。
前述の通り今まではCDJメインであり、PCDJはTraktor Pro2を少し触った程度、serato DJは初なので、ソフト面の突っ込んだレビューは容赦願いたい。



パッケージと全体像。
ミキサー部は4chで、ジョグダイヤル下のパッドが目を引く。


トップパネルはヘアライン加工されたアルミで、なかなか高級感と重厚感がある。
Traktor Kontrolシリーズとも相性が良さそうな外見。
横幅は66cm、奥行き34cm、高さ約5cm。

ヘッドホン端子は手前にあり、ステレオフォン端子とミニ端子の二つがあるので近年増えつつあるイヤホン派の人にも対応できるし、B2Bの時にも便利そう。
PCとの接続はUSB一本。

出力はメインアウトがXLRとRCAの二種類、ブースアウトがフォン端子で一つ。
XLR出力できるので、現場の宅ミキサーに直で接続する使い方も可能。
入力はマイクがXLRとフォンで計二つ。
3ch側がXLRで4ch側がフォンになる。
このマイク入力できるのはSX2のみで、前モデルのSXはできない。

後述するがリアルミキサーとしても使えるので、各チャンネルにRCA入力がある。
CDJやタンテも接続可。
ちなみにPHONO入力は1chと2chのみ。






こちらはデッキ部分。
手前にパッドが8つあるものの、レイアウトや機能的にはこれまでPioneer製CDJを使ってきた人ならすんなり使えそうな感じになっている。
左側が1ch,3chで切り替え、右側が2ch,4chである。

CUEやPLAY/PAUSEボタンは見慣れた感じで、その上にある一回り小さいボタンはSYNCボタン。
Scratch Liveにはなかった機能だがserato DJにはSYNC機能があり、このボタンでON/OFFできる。
OFF時はSHIFT同時押しなので、押し間違って解除してしまうことがないよう配慮されている。

ジョグは天板はアルミ製、側面はプラ製でCDJのようにラバーコーティングはされていない。
大きさはCDJ-350よりも一回り大きいか。
CDJシリーズのジョグは回すとガラガラするが、これはヌルヌルと無音で回る。
タッチセンスに関してもCDJは押すと天板が少し沈み込んでタッチ判定されるが、こちらは沈まない。
タッチ判定自体は重さで判定していると思われる。
あまりスクラッチはしないが、前々からCDJのジョグの感触は微妙だと感じていたので、この仕様は個人的には好み。
ジョグの重さを調整できれば最高だったが、そこはSZのみの機能。


中央のオンジョグディスプレイはCDJよりも簡素化されている。
上位機種のDDJ-SZはCDJと同じ仕様だが。
内周の赤いインジケーターはHOT CUEまでのカウントダウン機能で、SX2での新機能になる。
HOT CUEポイントが近づくにつれて赤いライトが減っていくので、MIXのポイントにHOT CUEを打っておくなどの使い方をした際に便利。
またパッドでのパフォーマンスポイントまでのカウントにも使える。



この機材最大の特徴であるジョグ下のパッドは、HOT CUE、ROLL、SLICER、SAMPLERに切り替えできる。
パッドは固めのシリコン製で、サラサラした触り心地。
クリック感はなく、軽く触れただけでも反応する。
HOT CUEモード時はソフト側で登録したカラーに対応して光り、押すと瞬時にその位置にジャンプできる。
これを利用して各パッドをリズムよく叩いてビートを刻むパフォーマンスができる。
さらにserato DJの拡張機能serato Flipでこのビートを瞬時に記憶、呼び出しができるのだが、このSX2は標準でFlipに対応、購入時に無償でFlipのバウチャーが同梱されているので、アクティベートすればすぐに利用できる。
テンポスライダー下に二つ並んだボタンがそのレコーディング/再生ボタン。
ちなみに前SXでも有料でFlipを購入すれば別ボタンで対応可能。


Flip操作ボタン下はLOOPセクション。
拍数を指定してのオートループ以外にも、CDJのようにマニュアルでIN/OUTを指定してのループもできる。

テンポスライダーはセンタークリックあり。
その上にキーロックボタン。

またCDJ-900シリーズで好評を博したSlipモードも使える。
SHIFTとSlipボタン同時押しでジョグをVinylモードとCDJモードで切り替えできるのも大きな特徴で、今までCDJでCDJモードを使用していた人も安心だろう。

ジョグ上部にはニードルサーチパッドがあり、その上にはエフェクターセクションがある。
serato DJの売りの一つであるiZotope社製エフェクトをコントロール。
残念なのが、3/4拍を指定できないため、個人的にDJMシリーズで多用している3/4エコーが掛けられないこと。






次にミキサー部だが、左から順に3,1,2,4chとなっている。
中央の縦フェーダーはサンプラーボリュームになっているのが地味に嬉しい。

中央一番上のロータリーノブで選曲、各ch最上部の青or白く光っているボタンでロード。
軽く使ってみた感じだが、serato DJはクレートやジャンル・BPM ・アルバム名など結構多くの階層から絞り込めるので、階層を行き来する時はトラックパッドの方がやりやすいかも・・・
あらかじめ使いそうな曲をクレートに入れておくなどの下準備があれば良いが。

CUEボタン上のツマミは各ch独立したマニュアルフィルターになっており、こちらはハード側で処理しているため、リアルミキサーとしてCDJやタンテの音源を使う際にも使用可能。
ビートエフェクトやサウンドカラーFXこそないものの、レイアウト的にDJMシリーズとほぼ同じである。
なおフィルターノブはプラ製、それ以外のツマミはラバーコーティングされている。

縦フェーダーは抵抗があって重め。
ヌルっとした感じで四つ打ちのロングミックスには良いが、以前使っていたミキサーがスカスカ軽い物だったということと、個人的には四つ打ちでも瞬時に下げるシーンも少なくないため、軽いほうが良かった。
DJM-900も軽かったような?

クロスフェーダーはめちゃくちゃキレる。
さらにユーティリティーモードで細かく設定もできるので、スクラッチ派も安心の設計。




総合的な印象として、これを使うのに最も適しているのはこれまでScratch LiveをCDJでコントロールしてきた人かな、というのを感じた。
実際にこれを購入後現場でserato DJをCDJコントロールしてDJする機会があったが、あまり違和感を感じなかった。
またこれまでCDJを使い続けて来たがそこから移行しても割とすんなり扱えたので、PCDJへの移行を考えている人にもオススメ。

PCDJコントローラーというとどうしてもオモチャ臭いイメージがあるという方も少なくないだろうが、さすがPioneer製だけあってそれなりに高級感がある。
ちなみにギリギリ身売り前のPioneer時代の物になる。
またDDJ-SZには及ばないものの、かなり上級クラスの機材なのに10万円というのは安い。
XDJ-RX然りだが、やっとPioneerさんもホームDJのことを本気で考えてくれるようになったのかな・・・

とまあ、こちらかなりオススメの機材となっているので、いいコントローラーをお探しの方は一考の価値アリです。



0 件のコメント:

コメントを投稿